Project #1

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Project #1

人、もの、まち、
あらゆるものを
つなぐ場所。

JPタワー大阪 KITTE大阪

大阪駅のすぐ西側。大阪中央郵便局の跡地が、駅前の新たなシンボルとして、生まれ変わります。地上39階建の駅直結の建物は、ワンフロア約1,200坪という西日本最大級のオフィスに加えて、商業施設、劇場、ホテルなど多様な用途が想定される大型複合施設。2024年の開業に向けて、開発に取り組むメンバーに話を聞きました。※このページの内容は、取材当時の情報です。

イメージ図(完成後の風景)

「つなぐ」ことから
生まれる価値。

本プロジェクトのコンセプト、企画意図について教えてください。

寺崎始動当初から明確になっていたのは、全体コンセプトの「つなぐ」というワード。ビルを起点に、街と人、人と人との新たな出会いを生み出すことを狙いとしていました。ただし、「つなぐ」は少し抽象度の高い言葉。ブレイクダウンし、商業部やオフィス、劇場など各施設ならではの方針を立てる必要性も感じていました。

伏間江施設低層部分に位置する商業施設は、小売店や飲食店が入るところです。ここでは、「地域とつなぐ」ことを意識し、日本中のまだ知られていない“unknown”ないいものを集めたいと考えました。地域それぞれにある特産品や食、ひいては歴史や文化までも伝えられる施設を目指したいと思っております。そんなunknownなモノ・コトたちと出会える場所をつくり、物理的に離れている地域とこの場所でつながることができる体験を生み出したいと考えております。

鈴木劇場では、建物全体の「体験をつなぐ」ことを意識しています。たとえば、ただコンサートを観て帰るだけならば、コンサートの印象しか残りません。しかしコンサートを見た後に低層部の商業施設で食事をしたり、高層階のホテルに宿泊したりすれば、その体験は建物全体を通した特別な想い出になるはず。点の体験で終わらず線をつなぐように、お客さまにはさまざまな体験をしていただきたいです。

伊藤オフィスパートで考えているのは、人のつながりです。

寺崎新型コロナウィルスの流行以後リモートワークも浸透し、人と人のつながりは希薄になっていると言われていましたね。

伊藤新しい働き方が模索されている今、オフィスはどうあるべきか。まさに多くの企業様が気にされていたことでした。リモートワークができるようになったのに、わざわざオフィスに出社する意義はなんだろう、と。しかし私たちが考えたのは、リモートワークが浸透したからこそ、リアルな場にしかない価値があるということ。同じ空間で仲間と働くことで、ちょっとした相談がすぐできたり、少しの雑談からアイデアが生まれたりする。そのメリットを最大限享受できる空間にすることが重要と考えました。

鈴木オフィスでは、テクノロジーを活かして、よりよい働き方を実現する試みもスタートします。特に伊藤さんの言うように、人と人をつなぐ場所としての機能に注力しています。ほんの一例ですが、オフィスの専有部内に小さなカフェスペースを設けられる設備を仕込んだり、複数フロアある企業様ならば、内階段をオプションで設置することが出来るようにしてみたり。まだまだ企画段階のものもあるので、企業様もこれからを楽しみにしてくださっていると思います。

イメージ図(開発エリア)

持つべきものは、
まちづくりの視点。

大阪駅前のシンボルともなる場所。どのような思いで取り組んでいますか。

伊藤オフィス部分では「人と人とのつながり」を重要視しましたが、「働く人と街とのつながり」もひとつのテーマです。つまり、朝出勤して夜そのまま帰宅する。働きにくるだけの場所にはしないということ。大阪駅前には私たちのビル以外にも刺激的な場所がたくさんあります。買い物や娯楽など、仕事帰りにも街歩きを楽しめるような仕掛けを考えていきたいですね。

伏間江私たちはビル開発の立場ですが、持つべきものは、まちづくりの視点だと思っています。このビルは、あくまで大阪駅前をつくるピースの1つ。自分たちの建物内だけではなく、建物の周辺、地域一帯をどう盛り上げていくかを常に考えていきたいです。

寺崎大阪駅前という場所全体の価値を上げるチームの一員ですよね。昔の大阪中央郵便局があった時代を知っている人からすると「懐かしい」と思っていただいて、過去と現在がつながる場所にもなるかもしれません。

鈴木不特定多数の方が利用する駅前の複合施設だからこそ、ニーズは人によって本当にさまざま。それぞれの方にとっての価値あるものを創造し、最適解を考えていく。それも複合施設をつくる面白さのひとつだと感じます。

伏間江例えば、新しく建物ができることで新しい人の流れが生まれます。どれだけの数の人がビルの中を通行するのか、店舗に立ち寄ってくれるのか、出店においてテナント様が知りたい情報は、今の段階ではあくまでも予測でしか出せない。だからこそ、ご出店されるお客さまと信頼関係を築けるように、私たち自身が、街の変化、人の動きをしっかりと見据えて、ご説明していけたらと思っています。

開発以前の「大阪中央郵便局」

「いいもの」は、たくさんの想いの先にある。

プロジェクトを推進する上での難しさ、やりがいについて教えてください。

伊藤大阪中央郵便局があった場所は、大阪の方であれば非常によくご存じなので、「あの場所ね」ですぐ話が通じる。「どう変わるの?」という地域の皆様からの期待の高さを感じます。注目度の高いプロジェクトに関われるというのは、私自身にとっても大きなやりがいです。難しさを感じるのは、新規のお客さまへのお知らせですね。対面でのアプローチがしにくい状況なので、そうなると新規の方との接点がなかなか作りにくい。できるだけ多くの方に情報をお届けして、「入居したかったのに」ということがないようにしたいと考えています。

鈴木私たちディベロッパーは、プロジェクトにおける調整役も担います。関係者が多い中で、みなさんに納得していただける答えを出す難しさを常に感じています。一方で、私個人としては、このプロジェクトの中でも最年少なのですが、DXの導入やフロアの企画においても、年次に関係なく自由にアイデアを出すことができるので、そのような環境で働けることに非常にやりがいを感じています。

伏間江我々の仕事は、物件の大小に関わらず関わる方が本当に多い。建設会社、設計事務所、照明、内装、インテリアの各デザイナー。出店いただくテナント様も含めて、本当にたくさんの方々がいる。その道のプロの方と関係性を築いて、一緒にひとつのものを作り上げていくプロセスには毎回喜びを感じます。数年にわたるプロジェクトになり、苦楽を共にしますので、プロジェクトが終わっても関係性が続いたり、別のプロジェクトでまたご一緒できたり。そういった人のつながりがつくれるのが、私にとってはやりがいです。

寺崎複合施設にはさまざまな用途があり、それぞれにミッションを背負っている。関係各所で必ずしも意見に折り合いがつくとは限らないので、どう調整していくかというところが最大の難所であり、面白みでもあると思っています。そういった生みの苦しみを乗り越えた結果に、いいものが生まれるのだと思いますね。

イメージ図(完成後の風景)